営業転職で年収は本当に上がるのか?月50万円以上を狙える業種の現実
営業に転職すれば、今より年収は上がる。
多くの人が、少なくともそう期待して営業転職を考えます。
実際、営業職は成果次第で収入が伸びる仕事です。ただ一方で、「思ったほど上がらなかった」と感じている人が多いのも事実です。
“営業おじさん”です。元採用面接官として、これまで100人以上の営業志望者と向き合ってきました。

本記事では、営業転職で年収が上がるケースとそうでないケースを整理しながら、月50万円以上を安定して狙える業種の考え方や、年収1,000万円という数字が簡単ではない理由を、現実ベースで解説します。
✅ この記事を読むメリット
- 営業転職の年収イメージが現実ベースで分かる
- 自分が狙うべき業種の方向性が見えてくる
- 数字に振り回されない判断ができるようになる
「営業で稼ぎたい」と思っているなら、転職を決める前に、ぜひ最後まで読んでみてください。
営業転職で年収は本当に上がるのか【全体像の整理】

営業に転職すれば年収は上がるのか。この問いに対する答えはシンプルです。
営業に行っただけで年収が上がることはありません。ただし、他の職種よりも年収が伸びる可能性を持っているのは事実です。
このズレが、営業転職の年収を分かりにくくしています。
営業職は「年収が上がりやすい仕事」ではある
営業職の最大の特徴は、成果が収入に反映されやすい点です。
固定給が中心の仕事と違い、成果に応じて評価や報酬が上乗せされる仕組みを持つ会社が多く存在します。
・結果を出せば収入が伸びる
・年齢や学歴に関係なくチャンスがある
といったイメージを持たれやすい仕事でもあります。
実際、営業を続ける中で、前職では考えられなかった水準の収入に到達する人がいるのも事実です。
「営業=年収が上がる」という認識がズレる理由
一方で、営業に転職したものの、年収が思ったほど伸びないと感じる人も少なくありません。
この原因は、営業という職種そのものではなく、年収の捉え方にあります。
多くの場合、
初年度の給与
求人票に書かれた想定年収
一部の成功例
だけを見て判断してしまいます。
しかし、営業の年収は短期ではなく、中長期で形が見えてくるものです。成果が安定するまでには時間がかかり、業種や環境によって上限も異なります。
そのため、「営業=すぐに年収が上がる仕事」と考えてしまうと、現実とのズレが生まれます。
年収は営業職そのものではなく「条件」で決まる
営業転職で年収が上がるかどうかは、職種名だけでは判断できません。
実際に差が出るのは、次のような条件です。
これらの条件によって、年収の伸び方も上限も大きく変わります。
つまり、営業転職で年収が上がるかどうかは、「営業を選んだか」ではなく、「どの営業を選んだか」で決まります。
この前提を押さえずに年収の話をすると、極端な成功例や失敗例に振り回されてしまいます。
営業転職の年収は、夢でも幻想でもありません。ただし、全体像を整理せずに考えると、現実が見えにくくなります。まずは「営業」という言葉を一度分解して見ることが大切です。

👉 営業転職でブラックな会社を避けるための判断基準を知っておきたい方は、次の記事も参考にしてください。
営業職は業種で年収の上限が決まる

営業で「どこまで狙えるか」は、能力より先に業種でだいたい決まります。ここを押さえないと、年収の話はすぐにズレます。
営業職の業種別|狙える年収水準の目安
| 業種 | 狙える年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 生命保険営業 | 600万〜1,000万超 | 成果連動が強く、上振れ幅が大きい |
| 不動産営業 | 600万〜1,000万超 | 単価が高く、結果次第で急伸する |
| 法人営業(BtoB) | 500万〜800万 | 積み上げ型で再現性が高い |
| ルート営業 | 400万〜700万 | 安定重視、急激な上昇は起きにくい |
| 一般的な営業職 | 400万〜700万 | 給与テーブルの影響を受けやすい |
※上記の年収はあくまで目安です。会社規模・報酬制度・地域・個人差によって前後します。
上限が高い業種は「単価」と「報酬の連動」が強い
年収の上限が高くなりやすいのは、成果が収入に直結しやすい業種です。代表例が生命保険や不動産です。
これらは一件あたりの金額が大きく、結果が出れば報酬に反映されやすいため、年収1,000万円を超える人が実際に多くいます。
ただし、その水準に到達しているのは、長期間にわたって結果を出し続けている一部の人たちです。
上限が高い世界ほど、結果が出るまでの負荷も大きく、収入のブレも大きくなります。上を狙える代わりに、安定するまで時間がかかることが多いです。
上限が見える業種は「積み上げ」で月50万円以上を狙いやすい
一方で、多くの業種の営業は、収入の伸び方に一定の範囲があります。
法人営業や一般的な営業職では、どれだけ成果を出しても、給料は会社が決めた範囲の中で調整されることが多く、年収が一気に跳ね上がるケースは少ないです。
たとえば、月50万円以上(額面)を安定して目指す、という目標なら、多くの業種で現実的に狙えます。
ここは「一撃」ではなく「積み上げ」で届く世界です。営業未経験でも、仕組みの良い会社・育つ環境を選べれば、可能性は十分あります。
年収は気合で青天井になるものではありません。まず「その業種で上限がどの辺にあるか」を知っておくと、営業転職の判断がブレなくなります。

月50万円以上は現実的な目標ラインなのか

年収1,000万円は営業職の中でも一つの目安としてよく使われる数字ですが、業種や報酬制度によって到達のしやすさは変わります。
その点、月50万円以上という水準は、生活と直結していて現実感があります。
このラインが営業転職でどれくらい現実的なのかを、整理して考えてみます。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は約460万円とされています。国税庁「民間給与実態統計調査(概要)」
月50万円以上が「一つの分かれ目」になる理由
月50万円以上というのは、年収にするとおおよそ600万〜800万円にあたります。
この水準は、営業職の中では「特別な成功者」ではありませんが、「誰でも簡単に届く」ラインでもありません。
- 固定給中心の仕事では到達しにくい
- 成果が評価に反映される環境で初めて見えてくる
- 生活水準が一段変わる実感を持ちやすい
多くの人にとって、「稼いでいる実感」を初めて得られるのが、このあたりの水準です。
そのため、営業転職での現実的な目標として、月50万円以上を意識する人は少なくありません。
一方で、このラインを超えるには、「営業に転職した」だけでは足りません。どの業種で、どんな評価のされ方をするかが影響します。
月50万円以上に届く人の共通点
月50万円以上を安定して得ている人には、いくつか共通点があります。特別な才能というより、置かれている条件の違いです。
たとえば、次のような点です。
逆に、
・評価が年1回だけ
・給料がほぼ固定
・成果がチーム単位で扱われる
こうした環境では、月50万円以上に到達するのは難しくなります。
ここで重要なのは、月50万円以上は「一撃」で届く金額ではないという点です。多くの場合、成果を積み重ねた結果として、安定して見えてくる水準です。
つまり、このラインは、業種と環境を間違えなければ、現実的に狙える。
ただし、選び方を間違えると、いくら頑張っても届かない。
この差が、そのまま結果の差になります。
年収の話をするときは、まず月50万円以上を安定して取れるかを考えると現実が見えます。このラインをどう超えるかで、選ぶべき営業の方向性はかなり絞られます。

営業転職後2年で月収が2倍になった話
私自身、営業に転職した最初の年と翌年は月20万円前後でした。それが、入社して3年目には、月40万円以上になっていました。
あるとき引っ越しで不動産会社に行き、前年と直近の収入をそのまま伝えたところ、「それは絶対にあり得ない」と言われました。
後日、求められた給与明細をメールで送ると、その話題に触れられることはなく、特に問題もなく部屋は借りられました。
👉 営業を向き不向きだけで判断せず、努力がどう結果につながるのかを知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
まとめ|営業転職で年収を上げるために最初に考えるべきこと

営業転職と年収の関係で押さえておくべきポイント
- 営業に転職しただけで年収が自動的に上がるわけではない
- 年収の上限や伸び方は、営業職そのものではなく業種で大きく変わる
- 年収1,000万円は営業職でよく使われる目安ですが、業種や報酬制度によって到達のしやすさは異なる
- 月50万円以上を安定して得られるかどうかは、現実的な判断基準になる
- 目標年収があるなら、その業種でどの水準が狙えるのかを事前に知ることが重要
営業転職で年収を考えるなら、「上がるか・下がるか」ではなく、どの業種でどの水準まで狙えるのかを整理して考えることが大切です。
営業転職は、仕事内容から考えてもいいですが、年収を目安にして会社を選ぶという考え方もあります。先に「どれくらいを狙いたいか」を決めておけば、選ぶべき業種や会社は自然と絞れてきます。

